学会3世の憂うつ

学会3世として生まれた僕は、創価学園・創価大学を卒業した。 しかし結局、バリ活にもアンチにもなれなかった。懐疑的性格という自らの原罪を呪いながら、それでも信仰を志向して生きる煮え切らない日々を過ごしている。

3.16ノ思ヒ出

今年も、3月16日がやってきました。この日が近づくと私は何だかそわそわした感じというか、平穏とは程遠い心境になります。 3月16日―。1958(昭和33)年のこの日に、「広宣流布の模擬試験」と呼ばれる式典が開かれたことが、その淵源です。当時飛ぶ鳥落とす…

【末尾にお知らせあり】今日の創価学会における日恭・日淳評価

聖教新聞に連載中の『新人間革命』において、池田名誉会長の会長ご勇退への言及が始まりました。30巻程度を予定しているとしてスタートした『新人間革命』も、いよいよ佳境に入っているのだと思われます。 私が本連載で注目しているのは、「細井日達の位置づ…

ヘーゲルとの復縁を決意:『小論理学』を読む①

近現代思想をを勉強しはじめました。きっかけは、「創価学会員による創価ダメ出しブログ」の管理人の否創価活動家さんと「学問と信仰」の問題について、意見交換したことです。 宗教を勉強していくと、どうしても学問と自分の所属教団の教義が矛盾してしまう…

創価学会の信仰の本質とは何だろう:内村鑑三『基督教徒のなぐさめ』を読む②

暑い日が続きますね・・・。前回に引き続き、本日も、内村鑑三『基督教徒のなぐさめ』を読みながら、「組織に反対意見を持ちながらも信仰を貫く生き方」について、考えていきたいと思います。 (前回記事は以下) sanseimelanchory.hatenablog.com 教会に捨…

【追記あり】創価学会に反対する会員を「反逆者」と罵ってはいけない:『基督教徒のなぐさめ』を読む①

私には、創価大学生だった頃から男子部となった今日まで、意識して続けていることがあります。それは、「学会を辞めたい」「学会が嫌いだ」という人と積極的に話すことです。 創価学会の全てが無謬だと思っていた頃の私は、彼らを「信心がない」と決めつけ、…

造反した創価学会職員3名の幼稚な教条主義:絶対平和主義再考の必要性

これからある文章を引用する。 公明党の山口代表は、朝日新聞の記者から党創立者の池田名誉会長の安保法への考えについて聞かれ、「直接伺う機会がないので、私には答えようがない」と返答したという。思わず絶句し、怒りで体が震えた。師を師と思わぬ、誤魔…

法然は日蓮並みの迫害を受けた異端者だった:初期日蓮を読むに当たって

「念仏を国家弾圧せよ!」 日蓮遺文を読むこの企画、ようやく序論を終えて遺文に取り掛かることができます。全体の構成はまだ朧げにしか考えておりませんが、まず考察したいと考えているのは、初期日蓮の代表作「守護国家論」「立証安国論」です。 日蓮遺文…

創価学会員として「靖国問題」を考える

終戦記念日を迎えるに当たり、「靖国問題」について考えたいとは前々から思っていました。稲田防衛大臣の靖国参拝の動向ばかりが注目されていますが、それはあまりに矮小化された議論です。靖国神社は、生々しい宗教的感情と、罪深い国家的な意図が交錯する…

『人間革命』における国家神道批判:池田名誉会長は国家神道の何に反対したのか③

「新・人間革命」に見る創価学会の他宗批判 現在聖教新聞に連載中の「新・人間革命」において、宗教社会学者のウィルソンと山本伸一の対談が描かれています。これについては様々論じることができますが、1つはその他宗批判のスタンスが挙げられます。文面を…

「人間革命」をスピリチュアルな言葉にしないために:「政治と文学」論争から考える

「一人の人間における偉大な人間革命は、やがて一国の宿命の転換をも成し遂げさらに全人類の宿命の転換をも可能にする」 『人間革命』冒頭の有名な一節です。数ある池田名誉会長の言葉の中でも、これが一番有名かもしれません。またこの「人間革命」の思想は…

国家神道を「教育」と「宗教」から考える:池田名誉会長は「国家神道」の何に反対したのか②

(本記事は「国家神道」について考察している連載記事の第2回に当たります。第1回は以下。) sanseimelanchory.hatenablog.com 前回の記事において、国家神道についての定義づけを試み、それを日本中心主義的な教義面と神社神道の組織化という制度面から考察…

池田名誉会長は国家神道の何に反対したのか①:「国家神道」の定義を考える

「池田名誉会長は国家神道の何に反対しているのか?」 終戦を間近に迎えた今日この頃、上述の問いについて考察したいと考えています。17歳の時に終戦を迎えた池田名誉会長は、その青春を戦争によって大きく狂わされたと言えます。折に触れて、国家神道に対し…

日蓮の本尊義の鳥瞰図(日蓮遺文を「再読」する番外編)

日蓮思想をめぐる議論は様々あるが、その第一は本尊論である。これは創価学会員にとっても非常に重要である。なぜなら、今日学会が「謗法教団」として攻撃する日蓮正宗との論戦において、本尊義は一大論点となっているからである。 1991年に創価学会が分離独…

「ご了承」不在の時代①:活動家でも反逆者でもない生き方

ここ数年、創価学会の「内紛」が目立つようになっている。その筆頭は、安保関連法の成立に反対する創価学会員の反対運動だろう。天野達志氏を筆頭に、三色旗を振って国会前に詰め掛ける学会員がメディアでも大きく取り上げられた。さらに2014年に創価学会は…

牧口・戸田会長の投獄・獄死の意味を再考しなければならない:日本共産党とリベラリストの思想から

「牧口会長と戸田会長は、勇気を出して軍部政府に反対した。だから偉かった」 創価学会初代・二代会長の牧口・戸田両氏は、治安維持法と不敬罪によって逮捕され、投獄されています。牧口会長は、獄中にてお亡くなりになられている。この両会長の投獄の記憶は…

創価学会執行部のホンネ:2014年会則変更問題をめぐって

いつもブログを読んで頂いている方より、天野達志さんの新サイトについてメールいただきました。 soka-dakkan.amebaownd.com 昨年の安保法案成立時に、「ひとりの学会員」として公明党に「ノー」という声を上げられた天野さん。三色旗を振りながらのその活動…

日蓮遺文を再読するに当たって③:別に「池田教」と言われたって胸を張っていればいい

「文証を出せ!」嗚呼、こんな言葉を全く無反省にいう人間が大嫌いです。 創価学会員である私は、大学生の頃から、何度も日蓮正宗との「対論」に駆り出されています。「対論」とは、要するに「創価学会こそ日蓮正統の教団だ!日蓮正宗は邪教だ!」ということ…

公明党の原点は軍部政府へのアンチテーゼ:『人間革命』を読み比べる

人間革命の新旧版を読み比べる本企画。今回は、「終戦前後」の章を取り上げたいと思います。 今年も終戦記念日がやってこようとしています。改めて『人間革命』を読めば読むほど、太平洋戦争の記憶が池田名誉会長と今日の創価学会の思想に不可欠なのもである…

創価学会と憲法9条:戦後日本における議論から考える

「共産党は護憲、護憲と言っているが、日本国憲法制定時に反対したのは、共産党じゃないか!」 共産党が「国民連合政府」構想を掲げた頃から、公明党はこのような批判を好んでするようになりました。 私はこれを初めて聞いた時、「流石にそんな批判はないだ…

天皇制に学ぶ「忠誠」と「反逆」

「先生は、天皇をどうお考えですか」 『人間革命』の「地涌」の章において、山本伸一が戸田城聖に投げかけた質問です。 この質問は、当時の時代思潮を表しています。壊滅的な敗戦を迎えた日本に生きる人々は、いくつかの重要な思想課題に直面していました。…

個人主義者かつ愛国者であること:丸山眞男の思想を読む

『人間革命』の舞台となっている時代状況を学ぶために、戦後思想を学んでいる本連載。今回は、丸山眞男という、「戦後知識人」の代表とされる人物を取り上げます。 本連載は、「『人間革命』の時代を読む」という連載の第1回です。連載目次は、下記をご覧く…

共産党はかつて「真の愛国政党」を掲げていた:『人間革命』の時代を学ぶに当たって

今週から『人間革命』の第1版と第2販の読み比べを始めましたが、それに伴い、「『人間革命』の時代背景」について勉強し直そうと思い起ちました。そこで小熊英二の『民主と愛国』を少しずつ読んでいく事を決めました。人間革命の比較検討に、日蓮遺文の再読…

学会再建に乗り出す戸田城聖:「再建」の章を読み比べる

本日は、『人間革命』第1巻2章「再建」を読み比べたいと思います。 本記事は、2014年に改定された『人間革命』第2版と初版を比較検討するものです。ここでは、第1巻「再建」の章を取り上げます。目次一覧は、下記をご覧くださいませ。 sanseimelanchory.hate…

ゆとり世代学会員の本音②:質問にお答えして

昨日投稿した、「本門戒壇の大御本尊」に関する記事について、様々なご意見いただきました。ありがとうございました。 sanseimelanchory.hatenablog.com その中で、私の「本門戒壇の御本尊」に関する立場・意見について、ご質問いただきました。昨日の記事は…

戸田城聖の出獄:「黎明」の章を比較検討する

「戦争ほど残酷なものはない。戦争ほど悲惨なものはない」 この有名な一文から始まる、「黎明」の章。治安維持法違反と不敬罪によって投獄された戸田城聖が、豊多摩刑務所を保釈されるシーンから始まります。 本記事は、2014年に改定された『人間革命』第2版…

ゆとり世代学会員の本音①:「本門戒壇の大御本尊なんて知らない」

有給休暇を取得できましたので、私は今日から連休に突入しています。貴重なお休みを利用して、ヘビーな話題を書いてみようと思います。それは、「創価学会の会則の変更」です。 飲み会での一幕:「本門戒壇の大御本尊って知ってる?」 創価学会は2014年に、…

「『人間革命』新旧版を読み比べる」序章:連載開始にあたって

これから複数回に分けて、『人間革命』の第1版と第2版を比較検討する「読み比べ・『人間革命』新旧版」を始めたいと思う。 2014年に、創価学会の歴史を描いた小説『人間革命』の改訂が行われることが発表された。 改訂は既に完了されており、全12巻の第2版全…

日蓮は念仏者だったのか?:日蓮遺文を「再読」するに当たって②

「ある時期の日蓮に念仏者の姿を見出してもいいのではないだろうか」 これは、高木豊『日蓮 その行動と思想』における一文です。この文章を読んだ時には、衝撃が走りました。それまでの私は、念仏を「諸悪の根源」のように認識しており、日蓮が念仏に惹かれ…

自公政権:「お試し改憲」としての環境権

予想が外れたので、大変に驚きました。菅官房長官が、「環境権」から改憲議論を開始すると発言したのです。 www.news24.jp 僕のような公明支持層の方はよくご存知だと思いますが、これは公明党が長らく「加憲」の立場から主張してきたものです。環境権。公明…

末法、大乗非仏、国立戒壇:日蓮遺文を「再読」するに当たって①

創価学会員は池田大作ばかりで日蓮を読まなさすぎ。そう言われて悔しかったので、読み直す事にしました。ブログで少しづつ上げていきます。大学の頃かじったスキナーなんかを使いたいけど・・・日蓮遺文を「再読」するに当たって①:末法、大乗非…https://t.c…

山口公明党代表の発言に戸惑っています:「9条加憲は自己否定?」

表題の通り、山口公明党代表の発言に戸惑っています。これまでの私の「加憲」理解を覆すものだからです。 山口代表が、記者会見で「9条加憲」について言及したそうです。残念ながら、会見全文や前後の文脈がわからないのですが、複数のニュースサイトで「9条…

「池田先生が仰るのだから、絶対正しい」:嗚呼、恥ずべき哉、此の『未成年状態』

「お前の意見は、池田先生の仰っていることと違うから、間違っている」15歳で創価高校に入学して以来、何度言われたかわからない言葉です。こんな事を大真面目でいう人間に会う度に、嫌気がさし、全身が重くなるような疲労感を覚えました。「池田先生の思想…

公明党は「変質」したのか:創価学会の自画像の投影

「公明党は変質した」「自民党化している」「平和の党の看板を捨てた」・・・ 昨年の安保法案成立ををめぐり、何度となく発せられた公明党への批判です。私も当時その一部始終を見ながら、同じような感想を持ち、公明党の「変質」を嘆いていました。 しかし…

造反した創価学会職員3名の救いようのない「病い」:創価同窓の後輩としての苦言

元創価学会職員3名によるブログが話題になっている。 元創価学会職員3名のブログ この3名の内2名は、創価学園・創価大学を卒業後、学会本部に就職した経歴を持ち、僕の同窓の先輩でもある。絵に描いたような「創価エリート」の彼らだが、2012年に学会本部を…

A級戦犯はなぜ天皇誕生日に処刑されたのか:「生前退位」報道に際して

天皇陛下が「生前退位」の意向を示されていることが報道された。もし本当ならば、日本における天皇制について、生涯をかけて熟慮されてきた末のご判断だと思う。政権にとっては、大変な難題となってしまったが、今後の行く末を注視したい。また、天皇制つい…

公明党支持層の4人に1人が野党統一候補に投票:学会の自公政権離れは進むのか

昨日投開票が行われた参議院選挙において、公明党は全選挙区で当選、比例区でも7人の候補が当選した。 比例区での得票数は、約750万票と、政権復帰時の約710万票や2年前の衆院選の際の約730万票を上回るものとなった。 「安保法制に反対した学会員は多く、公…

「政教一致」は必ずしも憲法問題に非ず

池上彰のことを嫌いな学会員は多いと思う。世間で非常に人気の高い同氏の不人気たる所以は、選挙のたびに「政教分離」問題について言及してくるからであろう。 昭和45年の言論出版妨害事件(学会内では「言論問題」と呼称)以来、40年以上学会と公明党は「政…

目次一覧~日蓮遺文を「再読」する~

創価学会の活動の中で、何度も学んできた日蓮の遺文。 しかし、その読み方は果たして十分だったのだろうか? 政治思想史家のクェンティン・スキナーは、以下のように書いている。 教義の神話のうちでも代表的なものの中心をなすのは、何といっても、古典的理…

目次一覧~『人間革命』の時代を読む~

『人間革命』の時代を読む 「一人の人間における偉大な人間革命は、やがて一国の宿命の転換をも成し遂げ、さらに全人類の宿命の転換をも可能にする。」 数ある創価学会の書籍の中でも、特に重要な位置を占めるのが小説『人間革命』。 戸田城聖会長と池田名誉…

目次一覧 ~『人間革命』新旧版を読み比べる~

「『人間革命』新旧版を読み比べる」 一人の人間における偉大な人間革命は、やがて一国の宿命の転換をも成し遂げ、さらに全人類の宿命の転換をも可能にする。 創価学会の出版物の中でも、最重要の位置を占める『人間革命』。 その『人間革命』が2014年に…